君を想うとⅢ~True love~
類は友を呼ぶって言うけど……
本当にその通りだな。
幸田先生の、この笑顔を見てその言葉の真実を再確認する、私。
天使の笑顔に
悪魔の内面。
そしてこの胡散臭さ。
うーーーん。
似てるぞ。
怖いくらいに出会った頃の桐谷慎によく似てる。
ルミちゃんと呼ばれた看護婦さんが持ってきた車椅子。
それをチャラチャラと軽口を叩きながらセッティングする、幸田先生。
その図は…
広報部で桐谷慎が若い女の子に、絡んでいる図によく似てる。
ちょっと~。
私の好きな人って……こんなカンジなの~~……??
こんな切羽詰った場面なのにどこかお気楽な私の脳内。
なんだかこんなに必死に桐谷慎のことが好きなのに。
必死に求めてる男の内面が、実はこんなに胡散臭いタイプなのかと思うと体中の力がドッと抜ける。
ジトーっとした目で先生のコトを見つめていると
「何?俺に惚れちゃった??」
これまた軽い感じで先生がニッコリ笑う。