君を想うとⅢ~True love~
昔だったらこんな風に心穏やかではいられなかったと思う。
イブと自分を比べて
勝手に自信をなくして
卑屈になって。
自分を卑下していたに違いない。
でも……
そんなことしても何にもならない。
私は私。
私以外には成り得ないんだから。
「うん…。それはなんとなくわかります。
きっと…カワイイカップルだったでしょうね。」
幸田先生の言葉も
桐谷慎の過去も気にせずに。
淡々と言葉を紡ぐと、幸田先生は不思議そうな顔をして私の顔を覗き込んだ。
「…??なんですか??」
不思議に思って、先生に問いかけると
「いや…。怒らないんだな、と思って。」
先生はそう言って視線を外す。
「普通はイヤでしょ。
カレシの過去を聞かされるなんて…さ??」