君を想うとⅢ~True love~
さっきまでの表情とは打って変わって
高らかな声を上げて
ほがらかに笑う、幸田先生。
うーーーん。
やっぱりこの人のこういう所は胡散臭い。
ジトーっとした目で幸田先生のことを見つめ続けていると
「俺はね。
シンとイブちゃんはガラスのケースにいる壊れ物の人形みたいに見えて、いつか壊れるんじゃないかと思ってビクつく時があったんだけど……。
なんか高宮さんは絶対壊れなさそうで安心だなぁ。」
サラッと
しれっと。
幸田先生はこんな悪魔な一言を口にする。
「なに、それ。
ケンカ売ってんですか!?」
そりゃーね!!
私はイブと比べたら神経図太い、人間戦車ですよ!!
でもいくらなんでもひどくない!?
憎しみを込めて、ギロッと幸田先生をにらみつけると
「なんで怒るの。俺は褒めてるんだよ?
いつか壊れるキレイなお人形なんて、ちっとも魅力的じゃない。
人間はね。汚くて、ずるくて、悪賢くてこそ人間なんだよ。」
そう言って。
幸田先生はニッコリと微笑む。