君を想うとⅢ~True love~
携帯を握る手が小刻みにブルブル震える。
背中を伝う汗に
凍る指先。
いけない最悪の妄想が頭の中に広がっていく。
どうしよう…
どうしよう!!
携帯を握り締めて、押しつぶされそうな重い気持ちに、心の中を支配されていると
「しっかりして。」
幸田先生が私の頬をパチンと叩く。
「まだ、終わったわけじゃない。」
「…あ……。」
「高宮さん、諦めるな。
奇跡ってヤツはね。
最後の最後まで成功を信じて諦めないヤツの上にしか、起こらない。」
ハンドルを握り締めて
前をまっすぐに向いたまま、幸田先生は言葉を繋げる。
「自分が動けないなら、誰かに動いてもらえばいい。
誰かいないの??君の代わりにシンの部屋に駆けつけてくれそうなヤツ。」