君を想うとⅢ~True love~


「寝室の床に落ちてた。多分…手紙だと思う。」





そう言って渡されたのは…
高級そうな白い封筒に入った1通の手紙。







封筒の表には…





『高宮へ。』





そう…書かれていた。






私はゆっくり手を伸ばしてそれを受けとる。








線の少し細い

整った、きれいな字。









間違いない。


コレは…
桐谷慎の筆跡だ。









私は封筒に書かれた自分の名前を指先で何度もなぞる。





蓋を開けるのは少し怖い。



とんでもないことを書かれていたら、きっと私は立ち直れない。






見たい。


でも、怖い……。








封筒を強く握りしめて。
相反する、そんな気持ちに悩んでいた時。





「読んでやってよ、高宮さん。
君は強い人間だから。
どんなことを書かれていてもきっと乗り越えて行けるハズだよ?」




そう…幸田先生が背中を押した。


< 430 / 569 >

この作品をシェア

pagetop