君を想うとⅢ~True love~
「悪いけど、気が済むまで追いかけさせて貰うからね。」
センパイのビールを横取りして一気に飲み干してグラスをガンッとカウンターに置く。
「諦めて?センパイ。
あたしはアンタを好きなことやめないわ。」
右腕でグッと口元を拭いながら、キッパリと言いきるとセンパイはあたしの勢いに押されてポカーンとしていたけれど。
「…ぶ…、ブハハハハ!!!!」
突然、センパイはお腹を押さえてゲラゲラと笑い始める。
「なによ。なんか文句あんの?」
「いや…、スゲーなと思って。」
「は?ばかにしてんの?」
「違う、違う。
さすがは一ノ瀬だな~と思ってさ。」
センパイは目に涙を溜めながら、言葉を紡ぐ。