君を想うとⅢ~True love~
「納得いきません!!理由を教えてください!!」
「そ、そうです!!こんな時期に私たちに何の挨拶もなく辞めちゃうなんて…!!
あまりに責任がなさ過ぎます!!」
桐谷慎が辞めると聞いた時。
喜多川君を含めた何人かの後輩がこんな風に専務に食い下がった。
きっと…
桐谷慎に自分達は『捨てられた』と思ったんだろう。
彼らにとって恐怖の対象であり、
頼れる上司で、
憧れだった、
広報部部長・桐谷慎。
そんなカレが突然こんな風にいなくなったら、誰だってショックを受けるに決まってる。
そんな風にいきまく後輩達を見てハァと深くため息を吐くと
「一身上の理由…としてしか伝えられない。」
苦しそうに専務はそうつぶやいた。