君を想うとⅢ~True love~
想像出来うる限りの、最悪のシナリオ。
きっと……
そういうことなんだろう……。
悲しいけれど
苦しいけれど……
私たちは、そう、理解をした。
そして1週間後。
人事部から辞令が下り…
広報部は田中課長が田中部長に
そして田中さんがまさかの課長に昇進!!
そして…私、高宮伊織は係長になった。
桐谷慎のいない、変わらない、過ぎていく、日常。
会社に行くと
『おはよう、高宮♪』
微笑むカレを思い出す。
家に帰ると
『好きだよ、高宮。』
そう言って私を甘く抱きしめて、狂わせた、カレの腕を思い出す。
会いたい、
なのに会えない。
家に帰って一人になると、彼を思い出して…
切なくて苦しくて涙が溢れる。
泣きつかれて寝て
会社に行って
また家に帰って一人で泣く。
そんな日々を過ごしていた頃。
私は自分の体の異変に気づいた――……。