君を想うとⅢ~True love~
もちろん、伊織のために探し出したいとも思ってるんだよ??
だけど2人だけなら2人の問題として、私達は傍観することしか出来なかったようにも思う。
でも…、伊織には仁がいるから。
仁がいるからこそ、私達は部長さんを必死になって探しているのかもしれない。
会わせて…あげたいんだ。
仁にお父さんを教えてあげたい。
仁の幸せのために、部長さんを見つけてあげたい。
私たちは…
仁がいるから、こんなにも伊織を支えて。
仁がいるから、部長さんを必死に探す。
私達の原動力は、いつだって、小さくて、かわいくて、たくましい、この愛すべき生き物なんだ。
特に……
「ははっ!!仁~!!
仁の父ちゃんはな~。
ちょ~っとヤなところもあるけど、すっげぇデカイ男なんだぞ~?」
仁をギューっと抱きしめながら。
優しい言葉で、部長さんをフォローする、あの男。
「そうなの~?」
「おう!!
少なくともしゅーちゃんパパは好きだったぞ?
仁の父ちゃんのこと!!」
藤堂センパイは……
当時、相当悩んでいた。