君を想うとⅢ~True love~
布団の中でワタワタしながら
「へ、平気ですっ!!
お気遣いなくっ!!!」
と答えると
「本当?
貧血で倒れたんでしょ?桐谷君から聞いて驚いたよ。」
優しい声の主が、心配そうに私のベッドの近くのイスに座る。
「最近忙しかったし、SGスイミングスクールの件もあったし疲れがたまってるのんだよ。
桐谷君も今日は帰っていいって言ってたから、早退したら??」
布団からちょっぴり顔をだして声の主を確認する。
桐谷慎のコトを“桐谷君”と呼ぶのは身近な人物では一人しかいない。
「田中さん…」
しゅーちゃんの茶飲み友達、兼、いざというときは頼りになる人、田中さん。
「藤堂くんも心配してたよ。
挨拶回りで忙しくてここには来れないみたいだったけど……。」
そう言って田中さんはフゥとため息をついた。