君を想うとⅢ~True love~
サラサラと頬をなでる、そよ風。
水場で遊ぶ子ども達の声に
草を揺らす風の音。
さやさや
そよそよ
ざわざわと。
耳の近くで風達が軽やかに歌いだす。
「スキとか、愛してるとか、付き合ってくれとか……。
何度考えてもくすぐってぇんだ。
俺の気持ちには、な~んか合わない。」
そう言って。
照れたようにセンパイが頭をポリポリと掻く。
「一ノ瀬。
ずっと俺の側で俺のこと見ててくれねぇ?
俺はきっとオマエじゃなきゃダメなんだと思うんだけど。」
ばか…
ばか、ばか、ばか!!
なんで突然結婚なのよ!
意味わかんない!!
ばか…
ばか、ばか!!!!
気がつくと。
私の目からはツゥと涙が一筋こぼれた。