君を想うとⅢ~True love~



サラサラと頬をなでる、そよ風。

水場で遊ぶ子ども達の声に

草を揺らす風の音。




さやさや

そよそよ

ざわざわと。




耳の近くで風達が軽やかに歌いだす。





「スキとか、愛してるとか、付き合ってくれとか……。
何度考えてもくすぐってぇんだ。
俺の気持ちには、な~んか合わない。」




そう言って。
照れたようにセンパイが頭をポリポリと掻く。




「一ノ瀬。
ずっと俺の側で俺のこと見ててくれねぇ?
俺はきっとオマエじゃなきゃダメなんだと思うんだけど。」







ばか…


ばか、ばか、ばか!!


なんで突然結婚なのよ!


意味わかんない!!


ばか…

ばか、ばか!!!!





気がつくと。

私の目からはツゥと涙が一筋こぼれた。



< 491 / 569 >

この作品をシェア

pagetop