君を想うとⅢ~True love~



「あっ!!仁!?」



このワルガキめ~!!!!
絶対に捕まえてやるんだから!!!!




そう決意してヤツを追いかけようと、体制を整えた時。




「あ~、大丈夫。伊織はココにいて!!」



しゅーちゃんが私の体を制止する。




「え??」



驚いて、しゅーちゃんの顔をジィッと見つめると



「とりあえず、屋台までひとっ走りしてくるわ。
一回行けば仁も満足だろ。」



そう言って。
しゅーちゃんはニッコリ微笑む。




「俺は全速力でアイツを追いかける。
伊織がもし気になんのなら後からゆっくり追いかけてくればいいよ。」


「でも……」


「だ~いじょうぶ。アイツも一回屋台を見れば気持ちも落ち着くって。
何でもかんでも買い与えるようなバカ親ではないから安心しろ。
じゃ…、俺行くから!!」




全力疾走で仁めがけて走ると、しゅーちゃんはあっという間に仁を捕獲。


イヤイヤしてた仁をなんとかかんとか、なだめすかすと、ヨッと軽々抱き上げて、仁を肩車して屋台に向かう。






は~ぁ。仁も言ったら聞かないんだから。




誰に似たんだか、仁は好奇心旺盛なくせに、ひどく強情。




『間違いなくアンタに似たのね』



なんて、理央は言うけど、私はあんなに強情じゃない!!と自分では思ってる。



< 505 / 569 >

この作品をシェア

pagetop