君を想うとⅢ~True love~

カバンの中にそっと隠した、白い封筒。




『高宮へ』と書かれた初めてのラブレター。





ソレを見ながら




「おばあちゃんになる前には、逢いたいんだけどなぁ……」




と、小さくつぶやく。





とぼとぼ、てくてく、とぼとぼ、と。

砂の感触を確かめながら歩いていると……






「Go early! 」






突然しゅーちゃんの怒鳴り声が遠くから聞こえてきた。






「……Why??
Why do?!She was wishing, "I want to meet you".
Are her feelings disregarded?!」





えっ!?
えっ!?
えぇっ!!?




突然飛び出した、しゅーちゃんの英語。
ナニを言ってるのかはわからないけど、どうやら屋台の店員さんらしき人に怒り狂ってるのだけはよくわかる。





「You are sure to want to meet her!!
If so, it is necessary to meet her!!
Will you think so?!」




遠すぎてよくわからない。
ナニを言っているのかもよくわからない。
だけど、トラブルが起こっているのだけはよくわかる。



< 507 / 569 >

この作品をシェア

pagetop