君を想うとⅢ~True love~



「高宮さんも藤堂くんとは仲良しだったから…今回の人事異動は驚いたでしょう。」


「はい…、凄く。」







今思えば甘い考えだったんだけど…


しゅーちゃんはどんな時も私の隣にいてくれるんだと思ってた。







苦しい時も、悲しい時も

嬉しい時も、楽しい時も







私が困っていたら必ず隣に来てくれて“大丈夫だよ、伊織”って励まし、支えてくれる存在なんだと思ってた。


お兄ちゃんのように暖かくて、優しいしゅーちゃん。






その笑顔の裏で…
毎日何を感じながら過ごしていたんだろう。







水島さんとの婚約破棄

彼女のお腹の中にいる、しゅーちゃんの赤ちゃんのこと

転勤のこと








私…、何も知らなかった。





彼に甘えるばかりで。

守られて
与えられるコトに慣れすぎてて…。

しゅーちゃんのことちゃんと見ようともしなかった。







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