君を想うとⅢ~True love~
その声と、
その姿、
扉の前で悔しそうに頭を掻く、カレを見て、思わず息が止まる。
「う…そ……。」
驚きすぎて
体中から血の気が引いていくのがわかる。
体中が小刻みに震えていて、指先なんてありえないくらいにガタガタ震えている。
突然のコトに頭の中の整理がつかない。
ありえなさすぎて、理解できない。
だって…、
こんな所で逢えるなんて。
感動と感激で体が震える。
死ぬなら今だ~!!ってくらいに体中が喜びに打ち震えている。
目の前にいたのは、
私の目の前の運命の扉を叩き壊して、力づくで開けたのは。
「久しぶり…だな、高宮。」
あの時と同じ。
あの時と同じ笑顔で笑う、
あの時と同じ声で私の名前を呼ぶ、
桐谷慎、その人だった――……。