君を想うとⅢ~True love~
ま、そんなこんなで提出した辞表は
「こんなもの、受理できるわけがなかろう!!」
「そうだ!例の水着の件に、SGスイミングの件。問題が山積みな今、こんなモノ受け取るわけにはいかん!!」
そんな風につっけんどんに返された。
ま…そりゃそうだよなぁ。
管理職の途中退社なんて聞いたこともないし、許されるはずもない。
責任感もなさすぎだしなぁ…。
だから…しょうがないからウソついた。
「俺…、前回の人間ドックで体に異常が見つかりました。
このまま続ける方が将来的に皆さんに迷惑をかけてしまうと思います。」
そう言った途端…
ジイサマ達は黙りこくってしまって。
専務に至っては、何故か涙を浮かべながら、俺の顔をジッと見ていた。
「引継ぎについてはココから上役の方たちと相談しながら、決めていければと思います。私も彼らをしっかり教育していくつもりです。
信じてやってください、アイツらを。」
それが……
藤堂が海外事業部に異動になると決まる、少し前のコトだった。