君を想うとⅢ~True love~




静かな目をしながらそう彼に訴えると



「あんた…、変わったな。」



馬鹿にしたような目をして、藤堂が俺を見つめる。





「はぁ?」




アイツの言っている意味がわからなくて、眉間にしわを寄せて軽く睨むと




「俺の知ってる部長はそんな腑抜けた男じゃなかったよ。
いつも自分勝手で、自己中で、計算高くて、いつだって気の抜けない相手だったわ。」



そう言って。
俺の胸元を掴んでいた手を乱暴にはずす。





そしてチラリとクソガキ仁の顔を見てため息を吐くと




「……Go early!
(…早くアイツのところへ行ってやれよ!)」


と、俺にまくし立てる。




突然英語に変わった藤堂に一瞬驚いたけれど…
クソガキ仁の顔を見て“そうか”と意味がわかった。





多分…
仁に事態を理解させないよう配慮して、日本語会話をやめたんだ。






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