君を想うとⅢ~True love~
そう…思った俺は
「ゴメン、レオ。後は頼むね。」
俯(うつむ)きがちにそう言って。
その場をさっと後にしようとすると、藤堂は心底ムッとした顔をして俺を思いっきり罵った。
「Shit!!
This,……coward!!!!
(くそっ!!この…弱虫!!)」
そう言って足元にある砂を思いっきり蹴り上げた、藤堂。
藤堂。
オマエの言いたいことはわかるよ。
自分でも情けない男だと心底思う。
だけど…な?俺は怖い。
アイツに会ってしまったら、俺はもう引き返せない。
会ってしまったら最後、アイツの小さな幸せなんて、到底願えそうにない。
オマエの前で微笑むアイツも
楽しそうに笑うアイツも俺はホントは許せない。
俺は…きっと奪ってしまう。
オマエとそのクソガキから高宮を奪ってしまう。
自分の幸せのためだけに、俺はアイツを奪ってしまう。