君を想うとⅢ~True love~
きれいごとの仮面をかぶって。
醜い本心を隠しながらテクテクと歩いていると、俺の背中に向かって藤堂が大声でこう叫ぶ。
「あ~~!!そうだった、そうだった!!
11時から挙式だったな!!あの丘の教会で!!!
あ~~楽しみだな~!!
や~~~っと念願の叶う日が来たわ!!!」
そのコトバに…
体中の血が凍りつく。
結婚…??
藤堂と…高宮が…?
高宮が、ついに俺の手の届かないところに行ってしまう…。
呆然と立ちつくしながら、そんなコトばかり考えていると
「Deprive if it is possible to deprive!!!
……Director!!!!
(奪えるもんなら奪ってみろよ、部長!!) 」
自信満々に、藤堂がそう叫ぶ。