君を想うとⅢ~True love~
そして、挑戦的な瞳を俺にむけて微笑むと
藤堂はクソガキ仁の手を引きながら元来た道を戻っていった。
高宮が…結婚…??
わかってたはずなのに。
会わないと決めた以上、こうなることは当然の結果だったワケなのに。
いざ現実を突きつけられると、心がザワついて落ち着かない。
醜い嫉妬と、焦燥感で胸が焦げ付くように苦しくなる。
隠していたはずの、ガキでどうしようもない俺が頭をもたげてこう叫ぶ。
『いいじゃ~ん。宣戦布告してきたのはあっちだぞ?
売られたケンカは買うのが筋ってモンでしょう~♪』
う、ウルサイ!!
それじゃ、高宮の幸せを壊してしまうだろ!?
ここはガマンだ、俺!!
ブンブンと頭を振りながら、イケナイ考えをなけなしの理性で振りほどくと
『な~に今更イイコちゃんぶってんの。
いい女には彼氏がいる、コレ、恋愛の常識でしょ~?
イイオンナを捕まえるにはタイミングを見計らうか、無理やり奪うしかない。コレ、常識。』
悪魔な桐谷慎は頭の中でため息を吐きながら、こう呟く。