君を想うとⅢ~True love~
懐かしい匂い
懐かしいぬくもり。
抱き合えば抱き合うほどに、いとしさがこみ上げて
たまらない幸福感で、胸の奥が苦しくなる。
どうしてこのぬくもりと離れることができたんだろう。
こんなにもいとしくて
こんなにもあたたかいのに。
どうして俺は知らないフリができたんだろう――……。
触れ合う唇からあふれ出す、甘い感情。
そして生まれる、独占欲。
あ~、ダメだ。
触れるだけじゃ満足できない。
もっともっとアイツが欲しい…!!
あいつの体を少し離して、
「相変わらずキスが下手だね、高宮。」
俺のクチビルを奪った高宮に、ニッコリと微笑むと
「え…?」
アイツは戸惑うようにおびえた瞳で俺を見つめる。
だからはっきり言ってやったんだ。
「忘れたの?
俺とのキスはこうやってやるんだよ。」
そう言うってにっこりとほほえむと、俺は高宮の体をグッと引き寄せて、アイツのクチビルに熱い、熱い、キスを落とした。