君を想うとⅢ~True love~




「顔だけはご立派で、仕事だけは出来るイヤミ男。自分勝手で自意識過剰な自信家なくせに、ひどく臆病でひどく淋しがりや。
ホント…アンバランスね。
桐谷慎って男はひどく凶暴で、ひどく繊細で…、ひどくアンバランスで、爆弾みたいな男の人だわ。」




その瞳は怒っているでもなく、
悲しんでいるでもなく、
とても冷静。




さっきまで見せていた紅い情熱はどこへやら。
今は海よりも青い冷静さで、高宮は俺を見つめる。






その瞳は俺の心の奥の奥までを覗かれているようで、ひどく居心地が悪くて



「高宮はそんな俺が大好きなんでしょ??」



思わず俺はそんな軽口を叩いてしまう。





すると高宮はニコリともせず、むくれもせずに、ひどく冷静な瞳をして、俺の瞳をまっすぐに見据えてこう言った。






「そうよ?わるい??」





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