君を想うとⅢ~True love~
俺の頬に当てられたままの高宮の手のひら。
窓から聞こえるカモメ達の鳴き声と、さわやかに流れる波の音。
それらをBGMにしながら、高宮は静かに、穏やかにこう言った。
「アンバランスでひどく淋しがりやのあなたを幸せに出来るのは、私だけ…なんでしょ??」
「高…宮……。」
「さらって?桐谷慎。
ココロもカラダも丸ごと全部、私の全てを…奪っていいよ。」
そう言って。
高宮は穏やかに、柔らかに微笑んだ。
その瞬間、
俺はアイツの小さな体を思いっきり抱きしめた。
壊れるくらいに、きつくきつく抱きしめた。
「好きだよ、高宮。」
そう耳元で囁くと
「…うん、知ってる…。」
俺の胸の中で、小さく小さく、消えそうな声で高宮はつぶやいた。