君を想うとⅢ~True love~
「そっか…。じゃぁ…伊織ちゃん?」
「なにそれ。なんか卑猥な感じがするよ?」
パーティー会場に向かう途中。
桐谷慎が発した言葉がおかしくてクスクスと微笑むと
「じゃぁ…伊織?」
キケンな瞳をして。
桐谷慎が耳元で、そう囁く。
出会いはちいさな会議室。
大嫌いで
天敵だった、ドSな上司。
その彼が、今では私の大切で、かけがえのない人になるだなんて、あの時は思いもしなかった。
「伊織、返事は??」
試すように
からかうように見つめる彼はいつだってセクシーで
獲物を追い詰めた獣のようで
ドキドキして落ち着かない。
いつだって私の心の鐘を鳴らすのはあなた。
君を想うだけで、苦しくて
君を想うだけで、幸せで、泣きたくなる。
こんな恋があるだなんて、お子チャマな私には気づくことすら出来なかった。
でもね??
私はきっとあなたの耳元でずっとこう叫び続けるんだろう。