君を想うとⅢ~True love~



「そっか…。じゃぁ…伊織ちゃん?」

「なにそれ。なんか卑猥な感じがするよ?」



パーティー会場に向かう途中。
桐谷慎が発した言葉がおかしくてクスクスと微笑むと



「じゃぁ…伊織?」



キケンな瞳をして。
桐谷慎が耳元で、そう囁く。








出会いはちいさな会議室。

大嫌いで

天敵だった、ドSな上司。







その彼が、今では私の大切で、かけがえのない人になるだなんて、あの時は思いもしなかった。







「伊織、返事は??」






試すように
からかうように見つめる彼はいつだってセクシーで
獲物を追い詰めた獣のようで
ドキドキして落ち着かない。





いつだって私の心の鐘を鳴らすのはあなた。





君を想うだけで、苦しくて

君を想うだけで、幸せで、泣きたくなる。

こんな恋があるだなんて、お子チャマな私には気づくことすら出来なかった。





でもね??
私はきっとあなたの耳元でずっとこう叫び続けるんだろう。




< 566 / 569 >

この作品をシェア

pagetop