君を想うとⅢ~True love~
医務室に入り、白いベットの上に寝かせるとアイツはうわ言のように
「…しゅーちゃ……、行か…ないで……。」
と呟く。
まったく…
甘ったれは相変わらずだ。
見かけはクールなクセに中身はただのピュアガール。
「いるよ?俺はここにいるよ、伊織。」
そんなアイツの頭を苦笑いしながらヨシヨシと撫でていると。
「藤堂、人のオンナに気安く触らないでくれる?」
「…部長……。」
ガチャリと扉を開ける音がして。
部長…こと桐谷慎は、不機嫌そうな顔をして俺をひどく睨み付けた。
は~。
楽しい恋人ごっこの時間もこれまでか…。
俺はハァ~とため息を吐いて
「ったく…、わかってますよ。」
俺は大好きな伊織から手を離し、ゆっくりと部長に向き合う。