君を想うとⅢ~True love~
あぁ、ヤなオンナだな…私。
ズルいオンナだな、私。
どんなに綺麗事を重ねても
どんなに自分を誤魔化しても
行き着くゴールはやっぱり同じ。
数ヶ月前に散々悩んで出した答えは
“桐谷慎の側にいる”
だったハズなのに。
この期に及んで私は二人の手を離したくないと思ってるんだ。
桐谷慎の手も
しゅーちゃんの熱い手のひらも離したくない。
「ホント…、私ってイヤなヤツ…。」
しゅーちゃんと付き合ってる時は、桐谷慎の存在が私の支えだった。
だけど…
桐谷慎と付き合ってる時に支えになったのは、しゅーちゃんの存在だった。
“大丈夫だよ、伊織”
そう言ってくれる、しゅーちゃんの眼差しが私の支えだったんだ。
しゅーちゃんがいてくれるから、頑張れた。
ズルいオンナ
自分が本当にイヤになる。
高宮伊織ってオンナは
一人で恋愛もできない、弱くて情けないオンナだったの?