君を想うとⅢ~True love~
「あれー!?なんかいい匂いがするけどアンタ何か作ったの?」
玄関で靴を脱ぎながら叫んでる理央に
「うん。今日はアジアンパーティーしようと思って、お料理頑張っちゃったよ!!」
って自慢気に扉を開けると……。
「わっ、ホントだ。
すげぇいい匂いする!!!」
理央の後ろには…
「…しゅー…ちゃん……??」
ここにいるはずのない元カレ、藤堂秀人の姿。
「…えっ、……えぇっ……??」
なんで!!??
なんでここにしゅーちゃんがいるの??!!
この異様な状況が納得できなくて
しゅーちゃんの顔をひたすらじっと見つめていると
「ごめんな。
お前に話したいコトがあって、一ノ瀬に無理言って連れてきてもらったんだ。」
しゅーちゃんはそう言って申し訳なさそうに笑う。
「体調は?もう大丈夫なのか?」
「う…うん……。」
「そっか、よかった。
安心したわ。」
そう言って、しゅーちゃんは私にニッコリと微笑む。
柔らかな笑顔を浮かべるしゅーちゃんに
固まってひきつった笑顔を浮かべる私。
理央はそんな私の顔を見てフッと笑うと
「とにかくココじゃなんだし…、リビングに行きましょ。」
私の肩をポンポンと叩いてリビングへと私のカラダを誘導していった。