君を想うとⅢ~True love~
「イタッ」
突然の攻撃に驚いて小さな悲鳴をあげると
「伊織、俺はお前を今すぐどうにかしようとは全く思ってねぇから安心して?
ただ…、今は俺の話を聞いて欲しいだけだから。」
しゅーちゃんはそう言って、とろけるように優しい笑顔を私に向けると、
熱くて優しい、大きな手のひらで私の頭をポンポンと叩いた。
――う゛っ……!!!
友達としてじゃない
だけど恋人としてでもない
不意討ちのあの優しい笑顔に私の単純な心臓はドクドクと波打って、顔には猛スピードで熱い血が流れていく。
卑怯だ!
そんな顔でそんなこと言われたら、誰だってドキドキしちゃうよ!!!
フッと顔を反らして
「わ、私、ご飯よそってくる!!」
その場から逃げ出すようにパタパタとキッチンに走って行くと、しゅーちゃんは一瞬驚いた顔をしたけれど…。
目を細めてクスッと笑うと
「うん、伊織の料理楽しみにしてる。」
柔らかな笑顔を私に向けて、私を優しく見つめていた。