君を想うとⅢ~True love~


理央が渡してくれたご飯を受け取って。
グリーンカレーをよそおうと鍋をお玉でクルクルと混ぜていると



「伊織。」


「…ん?」



理央が何やら真剣な顔をして私の瞳をじっと見つめていた。






私の瞳を見つめたまんま身動き一つ、言葉一つ発そうとしない理央がなんだか不思議で。



“ん?”と軽く首をかしげると
理央は何かを決心したかのようにハァ~と軽くため息をついて



「…あたし…さ。
前も言ったかもしんないけど、どんなことがあってもあたしはアンタの味方だから。」




何かが流れ落ちたかのように
スッキリとした
清々しい表情を浮かべて
理央は私に言い切った。






「理央……。」





理央のくれた言葉が嬉しくて
思わずお玉を回す手が止まる。





そんな私を見てフッと笑うと





「変な方に自分をねじ曲げるんじゃないわよ、伊織。
自分の気持ちに正直に、自分の気持ちの思うままに感じて行動すんのよ?」





そう…柔らかで温かい表情を浮かべて。
理央は優しく微笑んだ。



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