君を想うとⅢ~True love~
しゅーちゃんは苦しそうに下唇をギュッと噛む。
その表情があまりにも痛々しくて
私は声をかけることすらできずに、彼をじっと見つめていた。
好きな人が自分のコトを好きだと言ってくれたら、嬉しい。
自分と同じくらい好きでいてくれたら、もっと嬉しい。
だけど…
自分が好きな気持ちよりより、少ない好きだとスゴく悲しい。
そんな想いに水島さんは負けちゃったのかな…。
彼女の取った行動は理解に苦しむ。
だけど、彼女の苦しさだけは理解ができる。
なんとも言えない気持ちが胸の中につっかえて、ハァとため息を吐くと
「俺は…
どんな形になっても、やっぱりお前を傷つけちまうな。」
しゅーちゃんは傷ついたような目をしてそう言った。
――え…??
彼のただならぬ雰囲気に驚いてハッと顔を上げると
「俺は…大事な人を傷つける天才だな……。」
そう言って。
しゅーちゃんは目頭をグッと押さえた。