君を想うとⅢ~True love~
そして膝に置かれたままの左手の上にそっと手を重ねると、彼は驚いたように私の顔をじっと見つめる。
「しゅーちゃんは…欲張りだね。」
「…え……??」
「私も理央もしゅーちゃんのコト大好きなんだよ??」
そう。
どんなにしゅーちゃんが自分のコトを嫌いになったって、私たちはしゅーちゃんが好きだ。
私たちだけじゃない。
会社のみんなだって、しゅーちゃんが好きだよ。
茶飲み友達の田中さんはもちろん、課長も喜多川くんも…
それに桐谷慎も。
なのに…
どうしてそんな風に寂しい目をするの??
「しゅーちゃん。」
「…ん…?」
私の呼びかけにしゅーちゃんは不安そうな声で答える。
その瞳は“これから何を言われるんだろう”って怖さを隠した弱い瞳。
そんなしゅーちゃんを落ち着かせようと彼の手のひらを優しくなでながら、私は彼の顔を見ながらニッコリと微笑む。
「みんなしゅーちゃんのコト大好きだよ??
なのに、みんなから好かれるだけじゃなくて、みんなを幸せにしたいなんて…。しゅーちゃんは、欲張りだね。」