ワイルドハート「短編」
ほの暗い…。





二人が去って…。そこには見下ろすハイド。






「もう父上は乱暴だなぁ…。せっかく僕が来たっていうのに。」






悪寒は止まらない。手かせが外れない。手には血が滲んでいた。






腰から鈍い光が見える…。





ハイドはナイフを抜き胸に突き立てる。






衣は引き裂かれた。






「邪魔…。」






口を寄せる度に抵抗するも力は弱い。
「嫌!!」叫びにならない声は誰にも届かない。





涙が流れた。
最後に叫んだ。
「ジェード!」






琥珀は闇の中。魂は壊れた。
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