ひまわり

誰にも気づかれず泣く。
声は出ない。ただ涙がポロポロと流れるだけ。

目を擦る事も拭う事もしない。
自然に渇くの待つ止まるの待つ。

「なんかあった?」
隣にいた溜さんに話しかけられた。


別にないと答えるべきなのか
素直に話すべきなのかわからない。だけど誰かに話しを聞いてほしいわけでもない。

「大丈夫です。昨日親が喧嘩してて…嫌だなって」
無理に笑いながら話した。

本当は親の喧嘩なんてどうでもいい。いつかはあの家出るし。

溜さんって見てないようで見てるからな人の事…

「親の喧嘩ねぇ〜」
って話しを流してくれた。

「いまどき親の喧嘩で子供が泣く事あるんだな。」
って雄太。

本当にムカつく。
こいつは…こいつだけは。
お前の所為だよ!って
なんていいたいけど
言わないでおこう。

「雄太!まだわかんないの?
昨日の今日!!由里はあんたに会いたくなかったの!例え会ってもあんま話しなくないんだよ?」

綾乃はわかってた。
私の気持ち…
"ありがとう"でいっぱいだよ。



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