妖精なアイツ
転校
ポカポカ陽気とともに、眠気も一緒に襲ってくるこの季節。
あくびをしながら伸びをする癖がついてしまった。
桜井美希、高校1年生。出身も育ちも大阪。
でも、それもこの年で終わりだという事を聞かされたのは、夕食時の事だった。
さっきおとんから電話がかかってきて、おかんが取った。
内容は別に聞いてへんけど、おかんの口から出た言葉は……。
「転勤?」
転勤って……職場が変わるって事やんな?て、ことは?
「あんたらには悪いけど、転校せなアカンな」
やっぱりなー……。
「えー、高校入ったばっかやのにー……まあええか。」