妖精なアイツ
「どこなん?奈良?和歌山?」
地理に詳しくない私はとりあえずわかる、近畿の都道府県をあげてみた。
「……東京」
「えー。まぢでー。東京なら私でも知ってるー……って、遠っっ!!」
口の近くまで運んでいた米粒をテーブルに落とす。
いくらなんでも……遠すぎひんか!?
「おまえ、下品なヤツやな。もっと行儀よく食えっ」
兄貴に頭をどつかれて、テーブルに頭をぶつける。
「痛いなあ!何すんねん!!兄貴だって、嫌やろー!今年で卒業やねんから!」