妖精なアイツ


兄貴をグーでどつき、ドアを閉めた。


まったく……頼りにならない。そう思ってため息をついた。




次の日の朝、大きなアクビをしながら顔を洗いに洗面所へ向かった。


「……ちょっと、兄貴。どいてよ」


顔を洗おうと思ったのに、兄貴が先に使っていた。


「ええやんか、今日休みやねんし。ちょっとくらい待っとけや」


兄貴はシャカシャカと、歯磨きをしている。


髪の毛はワカメだった。


私は兄貴の髪の毛を引っ張った。




「いてててて!何してんねん!!」


「え。みそ汁の具になるかと思って」


私は兄貴の髪の毛を離さずに言った。


兄貴は歯ブラシを洗って言った。


「アホか!俺は豆腐と揚げのみそ汁しか食わん!」


……そこを怒るんだ。




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