その涙も俺のもの

パンッ!!



乾いた音がして、手が払いのけられた。


私の前に誰かが立ちはだかる。



「「あ」」


声が重なる。



「いお君…」

「佐賀っ?!」


そこにはいお君がいた。

背中を向けているので、表情が読み取れない。



「美優に何の用?」

「お前には関係ないんじゃないの?ただの幼なじみさん」


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