その涙も俺のもの
心がグッと鷲掴みにされた。

すべてがいお君に奪われた気がした。



言ってほしいこと以上のもの。

それを言ってくれる。



こんな人―


他にいないでしょ?




「小さいころから、幼なじみとして傍にいた。せやから今度は、"彼氏"として誰よりも美優の傍にいたいんや」



「…私もだよ」


言うと、ぐっと手を引かれ唇が重なる。

< 154 / 233 >

この作品をシェア

pagetop