その涙も俺のもの
千葉は帰っていった。


暗い空の下、学校の前で何も言うことなくお互いを抱きしめあう。



「…美優、ほんまにごめんな」

「え?」

「俺、勝手に帰った」



くすっと笑って俺の目を見る。


「私それぐらいじゃ怒らない。だって、いお君ヤキモチ焼いたんでしょ?」



いつもの美優と違い、

少し意地悪に微笑んだ。



「いお君ヤキモチ焼きさんだね」


誰だコイツ!!

いつもの美優じゃないんやけど!

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