その涙も俺のもの
「だめだよ!いお君は休んでて!体も熱いし…」


掴んだ腕は熱を帯びていた。


「平気やし。普通より少し熱が高いくらい、そんなことで休まれへん」


「…でもッ」



私はいお君の迫力に少したじろいだ。



「庵、熱あるんか?」



奥の方から顔をのぞかせたのは、いお君パパだった。


「親父、少しな。大丈夫やから行くで」


すると、おじさんはいお君の手を引っ張り靴を履かせないようにした。


「庵、お前はよくても。みーちゃんはよくないで。みーちゃんはお前のためを思って、言ってるんや。ちゃんとその気持ち、受け止めなあかんで」


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