その涙も俺のもの
背中に強い衝撃を感じ、私は足を踏み外した。


階段の上から、誰もいない前へと体が傾く。




あぁ…


私、突き落とされたんだ―…




背後に冷たい視線を感じながら、私は地へと落下していく。



どんっ!


鈍い音が響いた。



しかし…あれ?


痛くない。むしろ…やわらかい?


私はふと下を見た。



心臓が凍りついた。

< 208 / 233 >

この作品をシェア

pagetop