木々の中、そして歌【短編】
「あの時と同じ鳥がいるの。ほら、あの木の枝に。種類が同じってだけかもしれないけど・・・。なんだかそれがお兄ちゃんみたいで。ずっと、ここに来るのを待ってたんじゃないかなぁ」
「・・・そうかもな」
「あたし、お兄ちゃんがいなくてもこの歌、永遠に歌い続けるんだ。
きっとお兄ちゃんも、それを願ってるよね?」
「・・・そうだな」
涙が止まった。
「はい」
ヒロくんがハンカチを差し伸べた。
「ありがとう・・・」