闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
第1章
オオカミの想い
冷たい風が肌を過(よ)ぎり、街では色とりどりのネオンが輝く季節になった。
彼が再び転校生として現れて、私は正直戸惑いを隠せなかった。
どんな顔をして彼を見たらいいのか、分からなかった。
挨拶が終わり、席へ付いてからも、私たちは目を合わす事もなかった。
聞きたい事は山ほどあったのに、彼のオーラに負けてしまった。
初めて出会った時のように、彼は私に威圧的な背中を向けていた。
前みたいには、戻れないのかな。
私を助けて、後悔でもしてるの……?
時の流れが、2人の間に自然と距離を作ってしまったように思えた。