闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》

「道が二手に分かれてる。 どっちへ行く? 」


ケイトがモーガンに問い掛けた。


前を見ると、ちょうど森の分岐点に立っていた。


「そうじゃな……ここは二手に分かれよう。 きっと、また合流する場所があるはずじゃ 」


二手か……


みんな一緒じゃないと、なんか怖いな。


「ケイト、ダークは右へ。 わしらは左へ進もう 」


「気をつけろ。 何かあったら知らせてくれ 」


「そっちもな 」


私たちは互いの無事を祈って、別々の道へ歩きだした。


周りは木や生い茂る草ばかりで冷たい空気が流れている。


暗いし、静かだし、やっぱり怖いよぉ。


自然と目に涙が滲んでくる。


「もう飴舐めておいた方がいい? 急に出てきたりしない? 」


どっから襲い掛かってくるか分からないし、いつでも準備万端にしとかないと。


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