闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》

魚の足元から、人の足へ変わり砂浜へ上がってきた。


「まず、何かを尋ねる時は名乗るのが礼儀です 」


赤い髪をブルッと左右に振ると、濡れていた髪や肌があっという間に乾いた。


貝殻のブラに、珊瑚や海藻のパンツ姿。


脚も綺麗でスタイルも良い。


手を挙げると、ピンクの布が現れて彼女の体をまとった。


もう1人の黒髪の美女も、同じように黒い布をドレスのように着た。


「俺はルキア。 こっちがモーガンで彼女は樹里。 樹里の姉が行方不明になった。 手掛かりを探してる 」


「私はルナ、彼女はマリノよ。 残念だけど、ここに答えはないわ 」


そう言って、森の奥へ歩き出す。


思ったより、凶暴ではなさそう。


話せば分かってくれそうだけど、どう聞き出せばいいの?


「待って! お姉ちゃんは無事なの? 」


ルナは1度振り返ると、“ついて来て”と言うように、草の中へと入って行った。


< 114 / 133 >

この作品をシェア

pagetop