闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
魚の足元から、人の足へ変わり砂浜へ上がってきた。
「まず、何かを尋ねる時は名乗るのが礼儀です 」
赤い髪をブルッと左右に振ると、濡れていた髪や肌があっという間に乾いた。
貝殻のブラに、珊瑚や海藻のパンツ姿。
脚も綺麗でスタイルも良い。
手を挙げると、ピンクの布が現れて彼女の体をまとった。
もう1人の黒髪の美女も、同じように黒い布をドレスのように着た。
「俺はルキア。 こっちがモーガンで彼女は樹里。 樹里の姉が行方不明になった。 手掛かりを探してる 」
「私はルナ、彼女はマリノよ。 残念だけど、ここに答えはないわ 」
そう言って、森の奥へ歩き出す。
思ったより、凶暴ではなさそう。
話せば分かってくれそうだけど、どう聞き出せばいいの?
「待って! お姉ちゃんは無事なの? 」
ルナは1度振り返ると、“ついて来て”と言うように、草の中へと入って行った。