闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》

「後を追うんじゃ 」


私たちは、彼女らの後を追って奥へ進む。


すると、壁に植物のつるが巻き付いた城のような建物が現れた。


ここが、人魚たちの住家?


壁のつるには、色鮮やかな花や貝殻が付いていて、とても可愛らしい。


「あなたたち、探している仲間は1人だけ? 」


ルナが城の前に置かれているハーブに触れる。


綺麗な音色が響き、耳を傾けてしまう。


「油断するな。 飴玉を舐めるんじゃ 」


モーガンが小声で合図をした。


そうだった!


歌声を聞いちゃ危ない。


私は我に返り、忍ばせておいた赤い飴をそっと口に入れた。


「男を2人……預かっている。 2人とも可愛らしい少年ね 」


そう笑って、ハーブを止めると、後ろの草の壁へ手を置いた。


少年って、もしかして……


< 115 / 133 >

この作品をシェア

pagetop