闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
「後を追うんじゃ 」
私たちは、彼女らの後を追って奥へ進む。
すると、壁に植物のつるが巻き付いた城のような建物が現れた。
ここが、人魚たちの住家?
壁のつるには、色鮮やかな花や貝殻が付いていて、とても可愛らしい。
「あなたたち、探している仲間は1人だけ? 」
ルナが城の前に置かれているハーブに触れる。
綺麗な音色が響き、耳を傾けてしまう。
「油断するな。 飴玉を舐めるんじゃ 」
モーガンが小声で合図をした。
そうだった!
歌声を聞いちゃ危ない。
私は我に返り、忍ばせておいた赤い飴をそっと口に入れた。
「男を2人……預かっている。 2人とも可愛らしい少年ね 」
そう笑って、ハーブを止めると、後ろの草の壁へ手を置いた。
少年って、もしかして……