闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》

中はカラフルで綺麗な装飾が施されていて、とっても華やか。


ケイトとダークも牢から出してもらって、ひとまず安心。


やっぱり、悪い人には見えないけど……油断はダメね。


「あなたたちはここで待っていて下さい。 樹里、私の部屋へ 」


「え、私だけっ?! 」


レーアは頷くと、彼らを広間で待たせ、私を奥へと導いた。


姫の部屋は、綺麗なレースのベッドと花が散りばめられ、小さなプールにはミルク色の水が張っている。


そういえば、人魚は人の血で体を洗うって言われてたけど、赤くないんだ。


「赤い水を想像した? 」


「えっ、レーアも心が詠めるの?! 」


今、思っただけなのに。


どうして……


「みんなそう思ってるわ。 そんなの迷信よ。 私たちは、昔からそうやって罵られてきたわ 」


寂しそうに窓の外を見つめながら、レーアは語り出した。


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