闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
また可愛い女の子たちに囲まれてる。
意識しないつもりなのに、思わず聞き耳を立ててしまう。
「何回も言ってるけど俺たちは車だから 」
「「私たちも乗たいよね~/// 」」
キャッキャと楽しそうな会話。
ふ、無理だよかわいこちゃん達。
彼らのアジトにたどり着けるのは私だけなのさ。
そう心の声を響かせていると、ルキアが教室に入ってきた。
バチッと目が合って、思わず視線を反らすと、慌てて教科書をかばんに詰め込んだ。
まさか戻って来るなんて思わなかった。
無言で歩いて来ると、体をこっちに向けてイスにドサッと腰を下ろした。
な、何……?
少し動揺しながら、チラッとルキアを見た。
「手、貸して 」
「えっ? 」
急に何を言い出すのかと、きょとんとした顔で彼を見た。
「触っていい? 」
「触ってって……/// 」
変な言い方しないでよ。
ドキドキしちゃうじゃない。
私が黙っていると、ルキアがそっと手を伸ばした。
指と指が触れ合いそうになった時だった。