闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
「気になって仕方ないみたいね 」
「うきやぁっ/// 」
突然声がして体がビクッと驚いた。
「握りたかったんだって。確かめたかったんだよ 」
「確かめるって? 」
「本当に好きかどうかじゃない? 」
本当に好きかだなんて……
「ていうか、なんでその事わかったの? 」
「実は私、人の心が詠めるのだ! 」
え……?
「なんてね。普通にブツブツ声に出てたし 」
そう笑ってお姉ちゃんはテレビを付けた。
テレビの話し声が小さく聞こえて、胸のもやもやが込み上げてきた。
そうだよ……
私の声、聞こえなかったの?
人の心、詠めるんでしょ?
なのに、私の叫んでいた心の声に気付かなかったの?
詠めていたら、あんな態度にならない。
どうして?
記憶がなくなったって、心を詠む力はあるでしょう?
それすら消えてしまったとでも言うの……?
わからない。
ルキア、わからないよ。
私はどうしたらいい?
考えないようにしようとしても無理みたい。
自然とあなたが脳裏に浮かんで、知りたいと余計に焼き付けてしまう。