闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》
お姉ちゃんは食事の買い物で家を出ていて、今私しかいない。
なんだか怖い。
この胸騒ぎは何だろう。
恐る恐る玄関へ近づいて、ゆっくりとドアを開けた。
そこに立っていたのは、温かい表情をしたダークだった。
「なんだ、ダーク! よかった 」
ふっと緊張の糸が解けて、私はほっと胸を撫で下ろした。
「安心されるなんて、ちょっと残念だな 」
ダークは、そう白い歯を見せて笑った。
「何それっ。それより、どうしたの? わざわざうちに来るなんて 」
「うん……ちょっと顔が見たくなって 」
そう目が触れ合って、胸が少しきゅんとなった。
え、何この感じ。
「今、1人? 」
「あ、うん。入る? 」
私が家の中へ招くと、ダークは少し嬉しそうに足を踏み入れた。